モノローグ劇(読み)モノローグげき

改訂新版 世界大百科事典 「モノローグ劇」の意味・わかりやすい解説

モノローグ劇 (モノローグげき)

一人芝居。1人の俳優のみによって演じられる劇。モノローグとは独白を意味する。ときには他の俳優も登場するが,せりふは語らない。1775年から80年にかけてドイツの俳優ブランデスJohann Christian Brandes(1735-99)がみずからの演技力を誇示するために盛んに実践し,人気を得た。これはモノドラマmonodramaと呼ばれるが,モノローグ劇という言葉は一般にもう少しまとまった一幕劇ないし一回の演目として十分な長さの劇を指すようである。例えばチェーホフの《煙草の害について》やコクトーの《声》はそういう一幕物だが,前者は登場人物が観客に向かって語りかけるというかたちを,後者は人物の電話でのやりとりを観客が聞くというかたちをとっている。後者のやり方の一種として,俳優やせりふによってそこにいるはずの見えない人物の存在を暗示したりすることもある。また,ベケットの《クラップの最後のテープ》のように,同一人物の声を肉声と録音した声とに分けて劇的緊張を生み出す場合もある。いずれにせよ,モノローグ劇は俳優の技量を試すためには適当な形式と考えられる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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