日本大百科全書(ニッポニカ) 「モモチョッキリゾウムシ」の意味・わかりやすい解説
モモチョッキリゾウムシ
ももちょっきりぞうむし / 桃短截象虫
[学] Rhynchites heros
昆虫綱甲虫目オトシブミ科に属する昆虫。日本各地のほか朝鮮半島にも分布する果樹の害虫である。体長7~10ミリ。体は赤紫色の金属光沢をもち、背面は強い点刻と粗い毛に覆われる。口吻(こうふん)は細長く伸び、頭と前胸をあわせた長さと同じ、頭は目から後方へすこし太くなる。前胸はほぼ筒形であるが、後方3分の1でもっとも太く、前方へ細くなる。上ばねは肩幅が広く四角張っている。モモ、ナシ、ビワ、リンゴなどにみられる種類で、成虫は4、5月ごろから現れ、葉や芽、実を害し、雌は若い未熟の実に産卵してから柄を切断する。幼虫は実内で育ち、年内に成虫になるものと越年するものとがある。
[中根猛彦]