モロカン派(読み)モロカンは(その他表記)molokane

改訂新版 世界大百科事典 「モロカン派」の意味・わかりやすい解説

モロカン派 (モロカンは)
molokane

ロシアの心霊主義的キリスト教徒の一派。18世紀の後半に成立し,農民商人のあいだでひろまり,一時は信徒数100万に達した。教会制度,典礼を否定し,聖書のみを信仰基盤とした。聖職者はなく,〈長老〉と呼ばれる指導者がそれにかわった。帝国政府の迫害をこうむり,カフカスシベリアなどに移住した。いくつもの分派にわかれ,現在ではおもにカフカス,ウクライナで存続している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のモロカン派の言及

【ロシア】より

…去勢派はその反社会的性格のゆえに,ドゥホボル派は世俗の権力を認めなかったので,ともに政府からきびしい弾圧を受け,19世紀末に2万人のドゥホボルがカナダに移住した。18世紀にドゥホボル派から分かれた教派がモロカン派molokaneである。斎戒期に牛乳molokoを飲むと誤解されたのが名の起りであるが,彼ら自身は〈霊的キリスト教徒〉と称した。…

【ロシア】より

…去勢派はその反社会的性格のゆえに,ドゥホボル派は世俗の権力を認めなかったので,ともに政府からきびしい弾圧を受け,19世紀末に2万人のドゥホボルがカナダに移住した。18世紀にドゥホボル派から分かれた教派がモロカン派molokaneである。斎戒期に牛乳molokoを飲むと誤解されたのが名の起りであるが,彼ら自身は〈霊的キリスト教徒〉と称した。…

※「モロカン派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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