日本大百科全書(ニッポニカ) 「モーランド」の意味・わかりやすい解説
モーランド
もーらんど
George Morland
(1763―1804)
イギリスの画家。ロンドンに生まれ、画家の父の下で絵の修業を積んだ。わずか10歳でロイヤル・アカデミーにスケッチを出品している。おもに農村の風俗や家畜を柔らかな色彩で愛情豊かに描き、イギリス絵画に「モーランド流の農村風俗画」という一つのジャンルを打ち立てた。彼の作品は複製版画によりイギリスの家庭に広く流布したが、彼自身は放蕩(ほうとう)な生活に身を持ち崩し、絶えず債権者に追われ、獄につながれることもしばしばであった。代表作にテート・モダン(旧テート・ギャラリー)の『厩舎(きゅうしゃ)の内部』(1791)などがある。ロンドンに没。
[谷田博行]