ヤン3世ソビエスキ(読み)ヤンさんせいソビエスキ(その他表記)Jan III Sobieski

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤン3世ソビエスキ」の意味・わかりやすい解説

ヤン3世ソビエスキ
ヤンさんせいソビエスキ
Jan III Sobieski

[生]1629.8.17. オレスコ
[没]1696.6.17. ワルシャワ近郊ウィラヌフ
ポーランド王 (在位 1674~96) 。地方総督の要職にあったソビエスキ家出身で,クラクフ大学卒業後,2年間西ヨーロッパ各国を歴訪。帰国後は軍隊に入り,対スウェーデン戦争に従軍後,1655年元帥に就任。 68年には司令長官となり,73年の対トルコ戦で戦功をたて,74年国王に選出された。即位後は勢威の衰えた国力を補強するために国制改革と文芸の発展をはかり,王権強化に努めた。対外的には 76年のジュラウノでの対トルコ戦の勝利でウクライナ地方の失地を回復し,さらに 83年にはトルコ軍包囲下のウィーンに遠征してこれを撃退,国際的名声をはせた。それ以降も 91年にいたるまで対トルコ戦を神聖ローマ帝国と共同して遂行し,2次にわたるモルドバ遠征を試みて最終的には失敗に終ったが,ロシアとは 86年にグジムウトフスキ和約を締結して東・南部国境を確保。没後は長子ヤクプの王位継承が実現をみず,外来のザクセン朝に王位を譲ったが,王の治世は没落途上のポーランドに最後の光輝を放った。

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