ヤーキーズ(その他表記)Robert Mearns Yerkes

改訂新版 世界大百科事典 「ヤーキーズ」の意味・わかりやすい解説

ヤーキーズ
Robert Mearns Yerkes
生没年:1876-1956

アメリカの心理学者,霊長類学者。比較心理学の発展に指導的役割を果たす。1899年以来,下等動物からカニカメカエルマウスラットカラスハトブタ,サル,ヒトに至る多くの動物について研究を行った。1919年,イェール大学に霊長類研究所を創設し,29年には夫人とともに大著《大型類人猿The Great Apes》を発表した。翌年フロリダのオレンジ・パークに霊長類生物学研究所Institute of Primate Biologyを設立し,その所長として霊長類の心理学・生物学的研究の基礎を築いた。この研究所は,彼の引退後,〈ヤーキーズ霊長類生物学研究所〉と呼ばれるようになり,現在はジョージア州アトランタに移転している。また,彼は実験室的な霊長類の行動研究と並行して,29年には野生チンパンジーゴリラの研究のために若い門下の研究者をアフリカに派遣している。第2次世界大戦で中断されたとはいえ,霊長類の野外研究の歴史は彼とともに始まったといってよいであろう。43年には,チンパンジーについての実験心理学的研究の諸成果を《チンパンジー--実験コロニーChimpanzees--A Laboratory Colony》としてまとめた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android