普及版 字通 の解説
6画
[字訓] ちいさい・かすか・この
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
二幺(よう)に従う。幺は〔説文〕四下に「小なり。子の初めて生まるるの形に象る」とし、には「(かす)かなり。二幺に從ふ」とするが、二幺を列しても微小の意とはならない。また幽字条四下に「隱るるなり」とし、山中に微(ひそ)かに隠れる意で、の亦声とする。を幽微の意とするが、は糸束を列べた形、幽はそれに火を加えてくすべ、幽黒の色を加える形、その山は古い字形では火の形である。は(じ)の初文で、金文に「(こ)の人」「の彝(い)」のように用いる。まれに「絲(こ)の五人」のように、絲に作ることがある。幺は糸たば、これに木を通して拗(ねじ)ることを幼といい、その動作を拗(よう)という。幽・拗と・と、声義に二系があるが、本来は幺は糸束の形である。
[訓義]
1. ちいさい、かすか。
2. この。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ホソシ
[部首]
〔説文〕は幽・(機)、〔玉〕にまたの一字を加える。(幾)は戈(ほこ)に呪飾としてを加え、これを以て刺のことを行ったのであろう。は乞を加えて、その呪祝の意を示す。刺を加える意の字である。
[声系]
〔説文〕に幽をの亦声とする。黝は幼(よう)声であるが、幽と同声。黝も黒染の意であろう。
[語系]
・幽・窈・黝yuは同声、奧(奥)uk、燠iukも同系の語であろう。杳yも幽暗をいう語である。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報