ユカタン州(読み)ユカタン(その他表記)Yucatán

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユカタン州」の意味・わかりやすい解説

ユカタン〔州〕
ユカタン
Yucatán

メキシコ東部の州。州都メリダユカタン半島の北部を占める州で,北はメキシコ湾に面する。低平な石灰岩台地から成り,気候は概して高温少雨。主産業は農業で,特に古くからヘネケン (繊維植物) の産地として知られる。 1920年代初め州知事がヘネケンの大プランテーションの解体を試みて失敗したが,結局 30年代に収用され,その多くがエヒード (土地共有制) のもとに細分化された。その結果,一時ヘネケン生産が減少したが,50年代なかば以降再び増加しはじめ,それと同時に作物の多角化計画も推進された。スペイン征服前にマヤ文明の栄えた地で,州内にはチチェン・イツァ,ウシュマルをはじめとするマヤ遺跡が多いため,メキシコ内陸部と結ぶ交通網の拡充に伴って多くの観光客が訪れるようになり,現在観光業が重要な産業となっている。メリダや主要港プログレソなどの都市を除くと,住民の大半はインディオである。面積3万 8402km2。人口 136万 3540 (1990推計) 。

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