ゆめゆめ

精選版 日本国語大辞典 「ゆめゆめ」の意味・読み・例文・類語

ゆめ‐ゆめ

〘副〙 (副詞「ゆめ」を重ねて強めた語。「努努」「努力努力」「夢夢」などと当てる)
[一] (強く注意をうながす語)
① つとめて。精を出して。
書紀(720)皇極四年六月(岩崎本平安中期訓)「箱(はこ)の中の両つの剣を佐伯連子麻呂と葛城稚犬養連網田とに授けしめて曰はく、努力努力(ユメユメ)急須(あからさま)に斬る応し」
② 禁止の語句と共に用いる。決して決して(…するな)。必ず必ず(…するな)。
※書紀(720)皇極四年四月(岩崎本訓)「慎矣慎矣(ユメユメ)人をして知ら令むること勿れ」
曾我物語(南北朝頃)一「わらはも、尼になり、〈略〉身にはそへざるぞ。ゆめゆめうらむべからず」
[二] ((一)の「ゆめ」を「夢」と混同しての用法か) 打消の語を伴って用いることが多い。すこしもすこしも。決して決して。夢にも。全然。
平家(13C前)六「汝もし小督が行へや知りたる仲国、いかでか知りまゐらせ候べき、ゆめゆめ知りまゐらせず候」
浄瑠璃大経師昔暦(1715)下「此度おさん茂兵衛駈落の事ゆめゆめ両人不義はなく」
[補注]平安時代以降から、「夢」との混同があったらしく、(一)に関しても、「明衡往来‐中末」の「不意之人定嘲此事歟、夢夢莫漏々々」などと「夢」の字を用いている。→副詞「ゆめ」語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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