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大経師昔暦 ダイキョウジムカシゴヨミ

デジタル大辞泉の解説

だいきょうじむかしごよみ〔ダイキヤウジむかしごよみ〕【大経師昔暦】

浄瑠璃。世話物。3巻。近松門左衛門作。正徳5年(1715)大坂竹本座初演。京都の大経師の妻おさんと手代茂兵衛との密通事件を脚色したもの。近松三姦通物(かんつうもの)の一。通称「おさん茂兵衛」。

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世界大百科事典 第2版の解説

だいきょうじむかしごよみ【大経師昔暦】

(1)人形浄瑠璃。世話物。3巻。近松門左衛門作。1715年(正徳5)春ごろ大坂竹本座初演。1683年(天和3)に処刑された大経師家の女房おさんと手代茂兵衛との密通事件を題材にした作品で,その三十三回忌を当て込んで上演された。この話はすでに西鶴の《好色五人女》や歌祭文などに取り上げられ広く人口に膾炙(かいしや)していたが,本作にあっては,それが,闇紛れの人違いのために止むなく起こってしまった〈意志なき姦通〉として構想されているという点に最大の特色があるといえる。

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大辞林 第三版の解説

だいきょうじむかしごよみ【大経師昔暦】

人形浄瑠璃、世話物の一。近松門左衛門作。1715年初演。京都四条烏丸からすまの大経師の妻おさんが手代の茂兵衛と不義に陥り、処刑された事件を脚色したもの。「堀川波鼓ほりかわなみのつづみ」「鑓の権三重帷子やりのごんざかさねかたびら」とともに近松三姦通物の一。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大経師昔暦
だいきょうじむかしごよみ

浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。世話物。三巻。近松門左衛門作。1715年(正徳5)春ごろ大坂・竹本座初演。京都の大経師の妻おさんと手代茂兵衛(もへえ)が下女お玉の仲介で密通し、1683年(天和3)に3人とも処刑された事件を、その三十三回忌に当て込んで脚色。同題材をおさんの愛欲本位に扱った井原西鶴(さいかく)の『好色五人女』や歌祭文(うたざいもん)などに比べ、姦通(かんつう)の動機を、おさんが夫意俊(いしゅん)の下女お玉への邪恋を懲らしめるため、お玉と寝所を取り替えたことによる、暗(くら)まぎれの人違いでおきた偶然の過ちとし、事件がおさんの両親、お玉の伯父赤松梅竜(ばいりゅう)など、周囲に及ぼす悲劇を克明に描いた点に特色がある。『堀川波鼓(ほりかわなみのつづみ)』や『鑓(やり)の権三重帷子(ごんざかさねかたびら)』とともに近松の三大姦通物とされるが、江戸時代には1740年(元文5)に改作された『恋八卦柱暦(こいはっけはしらごよみ)』がもっぱら上演されてきた。
 近代以降は新解釈脚本も多くつくられ、第二次世界大戦後は、川口松太郎作『おさん茂兵衛』(のち『近松物語』と改題)が好評を受け、これは溝口健二監督で映画化(1954)もされた。[松井俊諭]
『森修・鳥越文蔵校注・訳『完訳日本の古典56 近松門左衛門集』(1984・小学館)』

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世界大百科事典内の大経師昔暦の言及

【トウガラシ(唐辛子)】より

…その後,たちまち商品作物化されたようで,前記《毛吹草》にはすでに伏見稲荷付近の特産品とされている。やがて,《大経師昔暦(だいきようじむかしごよみ)》(1715)が〈本妻の悋気(りんき)と饂飩(うどん)に胡椒(こしよう)はお定り〉というように,うどんの薬味はコショウと決まっていたが,トウガラシがとって代わるようにもなった。こうして急速に普及し定着した理由は,しょうゆやみそとの相性がよく,米飯中心の食事体系に適合したためである。…

※「大経師昔暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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