ユージン=セジュルネ法(読み)ユージン=セジュルネほう(その他表記)Ugine-Sejournet process

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユージン=セジュルネ法」の意味・わかりやすい解説

ユージン=セジュルネ法
ユージン=セジュルネほう
Ugine-Sejournet process

1940年代にフランスの J.セジュルネが開発した鋼材の押出し法で,押出し潤滑剤にガラスを使うのが特色。 55年頃日本にも導入され実施されている。本法により従来穿孔圧延機や鍛造では困難とされた異形管や異形型材の製造が容易になり,生産性も高い。押出しの原理はところてんの突き出しと同じで,ただ高温強力精密が要求されるので1工程1本になるだけである。原料箱はコンテナ,突き出し棒はラムと呼ばれ,先端の突き出し網に相当する個所所定の形状のダイス,マンドレル (穿孔心棒) を置く。いずれもダイス鋼製である。原料鋼材は予熱後 1150~1250℃に加熱してガラス粉をまぶす。穿孔マンドレル,ダイスには適当な形のガラス環をはめておく。これらのガラスは素材の高温で溶けてその内外面をおおって流動し,潤滑と酸化防止の作用をするとともに,断熱性がよいのでコンテナ,ダイス,マンドレルの損傷を少くする。ガラスの潤滑はきわめてよいので素材の押出しは均等でよい製品ができ,複合材料 (たとえば管や棒の内外異なる材料) でも均等に押出される。製品表面に付着したガラス膜はフッ酸と硫酸混合液で洗って除去する。

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