ユーロ円(読み)ユーロエン(その他表記)Euro-yen

関連語 名詞

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユーロ円」の意味・わかりやすい解説

ユーロ円
ユーロえん
Euro-yen

邦銀の海外支店を含む在外金融機関や日本のオフショア勘定に預託されていたり,取引されている円資金の総称。ユーロ円が発生するのは,(1) 海外輸出業者による円建輸出代金の受取り,(2) 邦銀による円建ての対外貸付け,(3) サムライ・ボンドのような円建外債を国内で発行して得た円資金の海外への振替,(4) 国内から海外への海外円送金などである。ユーロ円は,円の国際化に加え国内市場との金利裁定の活発化により,ユーロ円債やユーロ円インパクト・ローン (居住者向短期貸付) を中心に急速に拡大している。預金準備などの規制の枠外にあるうえ,源泉徴収適用除外を受けているなど各種の特典があることもユーロ円の急速な拡大に拍車をかけている。なおユーロ円資金の決済は,最終的には国内の銀行間の口座で行われているため,ユーロ市場では信用創造は行われないと考えられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のユーロ円の言及

【ユーロダラー】より

…たとえばシンガポールや香港などにおけるいわゆるアジア・ダラー,日本の東京ドル・コール資金,カナダの金融市場で取引される米ドル資金なども含まれる。同様に,このほかユーロマルク(ドイツ以外の金融中心地で取引されるドイツ・マルク資金),ユーロポンド,ユーロ円などがあり,ユーロダラーを含めてユーロカレンシーEuro‐currenciesと総称される。しかし,ユーロダラー以外のユーロカレンシーの取引は,ほとんどがヨーロッパ市場で行われている。…

※「ユーロ円」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android