α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線、X線、中性子線などの放射線を電気信号などに変換して検出する装置。対象とする放射線の種類やレベル、また検出の目的に応じて種々の原理・方法が用いられるが、いずれも放射線が物質に及ぼす作用を利用するもので、次の4種類に大別される。
(1)電離作用を利用するもの(電離箱、比例計数管、ガイガー‐ミュラー計数管、半導体検出器)
(2)蛍光作用を利用するもの(シンチレーション計数管)
(3)写真作用を利用するもの(原子核乾板、フィルムバッジ)
(4)放射線損傷などを利用するもの(ガラス線量計)。
これらの放射線検出器は、その出力信号(電気パルス、電流など)を測定する装置と組み合わせて線量測定に用いられるほか、放射線を応用した種々の計測装置(液面計、厚み計など)や診断装置(X線透視装置、CTスキャナーなど)の検出部として用いられる。
[三井清人]
物質が放射線を受けたときにその中に起こる物理的,または化学的変化を利用して,放射線の到来を検知できるようにした検出器。放射線によって物質中にはさまざまな変化が起こるが,検出器によく利用されるものとして,電離,発光,化学変化,発熱,飛跡(トラック)の形成,写真フィルムの感光などの現象がある。代表的な放射線検出器として次のものがある。(1)気体の電離を利用した電離箱,比例計数管,ガイガー=ミュラー計数管,(2)固体の電離を利用した半導体放射線検出器,(3)発光を利用したシンチレーションカウンター,(4)化学反応を利用したフリッケ線量計など,(5)発熱を利用した熱量計,(6)飛跡を利用する霧箱,泡箱,原子核乾板など,(7)感光作用を利用するフィルムバッジなど。そのほかに熱ルミネセンスを利用した熱ルミネセンス線量計や蛍光ガラス線量計などがある。微弱な放射線を検出するには感度のよい検出器が必要になるが,この目的のためには,上記の(1),(2),(3)のいずれかが用いられる。
執筆者:山下 幹雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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