改訂新版 世界大百科事典 「ヨツアナカシパン」の意味・わかりやすい解説
ヨツアナカシパン
Peronella japonica
ウニ綱カシパン科の棘皮(きよくひ)動物。本州中部以南に分布し,潮間帯より水深50mくらいまでの砂泥底にすむ。長径5cm,短径4.5cm,高さ7mmほどの扁平な形で,生きているときは赤色または赤褐色であるが,傷をつけたり,真水に入れると緑色に変わる。全体が長さ1~2mmの短いとげでおおわれ,上面には花紋状の歩帯が五放射に並び,その先端は閉じている。頂上系は花紋部の中心にあって,そこには四穴の名のように4個の生殖孔が開いている。下面は扁平であるが,中央部がややくぼむ。肛門は小さく,殻の後端に開いている。生殖期は7~8月で,黄色の半透明な卵を産む。卵は孵化(ふか)後3~4日後には変態する。
→ウニ
執筆者:今島 実
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報