日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨックムソン」の意味・わかりやすい解説
ヨックムソン
よっくむそん
Matthías Jochumsson
(1835―1920)
アイスランドの詩人、劇作家。小農の子に生まれ、高等教育を断念して商人になろうとしたが、有力者の援助によりレイキャビークのラテン語学校、神学校に学ぶ。その後各地の教区牧師を務めるかたわら、11回にわたり海外旅行を経験する。生涯を通じて賛美歌や愛国的な回想詩など多くの優れた叙情詩を書き、今日でももっとも愛好される詩人である。作品の一つは現在アイスランド国歌になっている。また史劇も多く手がけ、『追放者』Útilegumeinnirir(1864)はアイスランド最初のロマンチックなドラマとされる。また、シェークスピア、バイロン、イプセンなどの翻訳者としても名声を博している。
[谷口幸男]