改訂新版 世界大百科事典 「ライキン」の意味・わかりやすい解説
ライキン
Arkadii Isaakovich Raikin
生没年:1911-87
ソ連邦の軽演劇俳優。1935年レニングラード舞台芸術大学を卒業し,労働青年劇場(TRAM)で俳優をしていたが,パントマイムと寸劇向きの才能が認められ,39年に創立されたレニングラード・ミニチュア劇場の指導者に就任した。時事風刺寸劇集で一晩のプログラムを組む,当時新しいジャンルの劇団であった。以来この道一筋に活動する。風刺作家の手になるからしのきいた現実風刺と達者な早変りを伴う絶妙な演技,それと軽快なテンポにより,ライキンおよびその劇団は,ソ連で最も人気があり,テレビ出演も多かった。西ヨーロッパ,東ヨーロッパへの公演旅行もたびたび行われるが,訪問国の言葉で演ずるのが特徴であった。
執筆者:佐藤 恭子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報