ラウレイオン(英語表記)Laureion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラウレイオン」の意味・わかりやすい解説

ラウレイオン
Laureion

アッチカ南部,スニオン岬に近い丘陵地帯に位置した,古代ギリシア最大の鉱産地域。現ラブリオン。銀の採掘で有名であった。採掘はすでに初期鉄器時代から行われ,その後僭主ペイシストラトスによって奨励され,銀貨の需要の増大採鉱技術の進歩により豊富な鉱床が発見された。特に前 483年頃の大規模な採鉱によって得られた利益を市民に配分する慣例に従わず,テミストクレスの提案による海軍建造に用いたことはよく知られている。前3世紀には銀価の低落によって打撃を受けたが,前2世紀にも採掘は強行されたので,前 103年には奴隷坑夫の暴動が起った。1世紀頃まで続けられ,その後まもなく閉山された。その地域一帯に採掘の遺跡が見出される。なお鉱山国有財産であるが,市民にも賃貸された。 1860年以降鉱山が再開され,鉛,カドミウム,マンガンの採掘が始った。

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