出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ローマ帝国では金貨が使用されていたが,帝国滅亡後はおもにビザンティンおよびアラビア諸国に流通していた。ヨーロッパでは銀貨が主として流通していたが,13世紀にはいってからヨーロッパでも金貨が鋳造されるようになった。経済力の強い国の金貨が最もよく受容されるようになったのは当然であり,13世紀半ばフロリン金貨(フローレンス)が抜群の地位を占めていた。…
…銀生産の発達につれて,都市では教会や上流階級のために金銀細工師の手で銀の装飾品が作られた。J.アマンの木版画にH.ザックスの詩を添えて1568年に出版された《身分と手職の本》(邦訳《西洋職人づくし》)には,金銀細工師(…印章やら印つき指環,宝石をちりばめた高価な掛飾も小ものも,くさり,首飾,また腕輪も,杯やら壺の類も,ときには銀器も銀皿もつくる…),金銀箔師(金や銀を箔にのばすのがわしのしごと,画家やら型付け師,そのほか,どんな絵しごとにも使える箔つくりじゃ…),貨幣師(…刻印正しく精巧なグルデン,クローン,ターレル,パッツェン,半パッツェン,クロイツェル,ペニッヒ,よき昔のトゥール銀貨と,…良い通貨をわしは鋳出す)が載っている。南ドイツのアウクスブルクは,金属工芸の中心として外国にも知られていたが,1650年皇帝フェルナンド3世からオスマン・トルコ宮廷への贈物とスウェーデン女王の銀器が,この町の銀細工師の手で製作された。…
※「銀貨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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