改訂新版 世界大百科事典 「ラカポシ山」の意味・わかりやすい解説
ラカポシ[山]
Rakaposhi
パキスタン北部,カラコルム山脈西部にあるラカポシ山脈の主峰。標高7788m。西北西から東南東に走る同山脈の西端に近く,ギルギット川支流のフンザ川東岸にそびえる。すでに1892年のM.コンウェーをはじめカラコルムの先駆的探検家たちに注目されていた。本格的な登山は1938年に北西稜を登路として行われたが,約6000mに達したに過ぎなかった。登攀は47年,54年,56年と南西側から試みられ,ついに58年6月イギリス・パキスタン合同登山隊が初登頂に成功した。山名はこの地方の伝説上の人物にちなみ〈ラカの物見台〉を意味するといわれ,また〈雲の首飾〉の意のドゥマニDumaniの名で呼ばれることもある。
執筆者:酒井 敏明
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