ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラテン・アベロイズム」の意味・わかりやすい解説 ラテン・アベロイズムlatin averroism アラビアの哲学者アベロエス (イブン・ルシュド ) のアリストテレス解釈に準拠した西欧の哲学的・神学的学派,およびその学説。主として 13世紀後半のパリ大学とルネサンスのイタリアで栄えた。アベロエス説には世界の永遠からの存在,個的霊魂の死滅,地上での完徳の可能性の肯定などキリスト教教理と対立する思想が含まれていたところから神学的問題となり,1270,77年パリ司教タンピエによってシジェ・ド・ブラバンをはじめ神学者らが排斥された。完全なアベロイストは 14世紀に現れ,パリ大学のジャンダンのヨアンネスのほかパルマのタデオ,アレッツォのアンジェロら主流はイタリアにあった。彼らは信仰に対する理性の優位を主張した合理主義者であり,心理学的決定論をとった。 1513年の第5ラテラノ公会議で排斥されたが,アベロイズムはパドバで 17世紀まで存続した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by