フランスのアナーキスト。本名François Claudius Koenigstein。1892年,死刑に処せられた他のアナーキストの復讐のために,担当裁判長と検事の自宅を爆破し,無期懲役の判決を受けるが,その後,貧困から逃れるための強盗殺人などが明るみに出て死刑に処せられた。この事件は,1890年代初頭フランスのアナーキズム運動がテロリズムを行動手段とした時期に引き起こされたもので,カルノー大統領暗殺をはじめとする一連の事件に連なって発生した。貧困のなかで生きてきたラバショルの素朴で毅然たる態度は人々の関心を集め,アナーキストの間に彼をたたえる歌がつくられた。 執筆者:喜安 朗