化学辞典 第2版 「ラーデンブルク」の解説
ラーデンブルク
ラーデンブルク
Ladenburg, Albert
ドイツの化学者.ハイデルベルク大学でR.W.E. Bunsen(ブンゼン)やG.R. Kirchhoffの影響を受けて化学の道を志した.1865年ヘント(ガン)大学のF.A. Kekulé(ケクレ)のもとで研究し,さらにパリでC.A. Wurtz(ウルツ)とともに研究を開始した.1866年末にはC. Friedel(フリーデル)に招かれ,ケイ素化合物の研究を開始した.さらに有機スズ化合物の研究もはじめた.1868年ハイデルベルク大学に移り,その翌年にはベンゼンの構造式にプリズム型の構造式を提唱し,ケクレ式を批判した.1872年キール大学に移り,メシチレンの構造を示した.1889年ブレスラウ大学の教授となり,アルカロイドやラセミ化合物の研究を続けた.アトロピンの合成,コニインの合成,ラセミ体の分割などのほか,オゾンについての業績もある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報