コニイン

デジタル大辞泉 「コニイン」の意味・読み・例文・類語

コニイン(coniine)

アルカロイドの一。ピリジン系の塩基性液体で、猛毒ドクニンジンに含有。

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精選版 日本国語大辞典 「コニイン」の意味・読み・例文・類語

コニイン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] coniine ) ピペリン系アルカロイドの一つ。化学式 C8H17N 猛毒の塩基性液体。コニウムアルカロイドとして、セリ科のドクニンジンの種子に含まれる。吸収すると運動知覚末梢神経中枢神経系麻痺(まひ)する。

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化学辞典 第2版 「コニイン」の解説

コニイン
コニイン
coniine

(S)-2-propylpiperidine.C8H17N(127.23).セリ科ドクニンジンConium maculatumに含有されるアルカロイド.おもにラセミ体で存在するが,残さから光学活性体も得られる.2-プロペニルピリジンを還元して合成する.(S)-コニインは融点-2 ℃,沸点166 ℃.+15.7°(希釈しない).1.454.塩酸塩は融点221 ℃.ピクリン酸塩は融点75 ℃.水に可溶,アルコール,エーテルに易溶.強い有毒物質でおう吐,呼吸困難,麻ひを引き起こし,仮死状態を経て死に至る.[CAS 5985-99-9:(R)-コニイン]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コニイン」の意味・わかりやすい解説

コニイン
coniine

ドクニンジン (セリ科) の種子に含まれるアルカロイドの一種。猛毒。中枢神経運動神経に対し麻痺作用がある。沸点 166~167℃。

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世界大百科事典(旧版)内のコニインの言及

【ドクニンジン】より

…果実はほぼ球形で,直径約3.5mm,熟すと2分果に分かれる。分体に切ると不快な臭気があり,コニインconiineなどの有毒成分を含む。ドクゼリにつぐ有毒植物としてよく知られ,イギリスではヘムロックhemlockと呼ばれ,ソクラテスがこれをのんで死んだと伝えられている。…

【有毒植物】より

…アセビを馬酔木と書くのも葉をたべたウマが酔ったようになるからで,ともに中枢神経を興奮の後に麻痺させるグラヤノトキシンを含むためである。ドクニンジンも中枢および運動神経末梢を麻痺させる成分コニインを含有し,ソクラテス処刑に用いられた。プラトンは著書《ファイドン》にソクラテスの手足が冷えやがて心臓が麻痺して死にいたる情景を描写している。…

※「コニイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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