改訂新版 世界大百科事典 「リアンブア」の意味・わかりやすい解説
リアン・ブア
Liang Bua
インドネシア,フロレス島,マンガライ県,ルテン村北方の巨大な石灰岩洞窟遺跡。涼しい(bua)洞窟(liang)という意味。1978-89年にインドネシア研究者によって発掘が行われていたが,2001年以降,オーストラリア・インドネシア合同チームによって発掘が進み,9万~1万6000年前の地層から,小型のステゴドンゾウ,巨大なネズミ,コモドオオトカゲなどの動物骨,そして大量の石器が発掘された。2003-04年には,約2万年前の地層から,超小型の原人化石骨格が出土し,ホモ・フロレシエンシスと名付けられた。その個体骨格(LB 1)が模式標本である。1万6000~1万1000年の期間には厚い火山灰の層が堆積しており,それより上層のホモ・サピエンスの人骨および文化遺物と,それより下層のホモ・フロレシエンシスの人骨および文化遺物とは全く混じり合っていないので,ホモ・フロレシエンシスのみが暮らしていた時代があったことに疑問はない。
→ホモ・フロレシエンシス
執筆者:馬場 悠男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報