日本大百科全書(ニッポニカ) 「コモドオオトカゲ」の意味・わかりやすい解説
コモドオオトカゲ
こもどおおとかげ
Komodo dragon
[学] Varanus comodoensis
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目オオトカゲ科のトカゲ。別名コモドドラゴンともいい、トカゲの世界最大種として知られる。インドネシア、小スンダ列島のコモド、リンチャ、パダール、フロレス各島に分布する。全長2~3メートルの大形で、体長については諸説があるが、現存個体では最大3メートルぐらいに達する。長さではニューギニアオオトカゲV. salvadoriiの4メートルに一歩譲るが、太い胴、強大な尾、発達した四肢とつめは、「ドラゴン」(竜)または「陸のワニ」の名にふさわしい。丘陵地帯の森林にすみ、草原やときには海岸にも現れる。地上性で、若い個体は木にも登る。餌(えさ)はシカ、イノシシ、サル、ヤギなどの哺乳(ほにゅう)類で、獲物は強力なあごとつめで襲うが、大きな獲物や敵は強大な尾で打ち倒す。若い個体はトカゲ、ネズミ、鳥やウミガメの卵を餌としている。性質は荒いが人を襲うことはほとんどなく、現地住民は「オラ」(兄弟)とよんでたいせつにし、また1931年以来政府の手で保護されている。
[松井孝爾]