普及版 字通 「リ・おさめる・ひらく」の読み・字形・画数・意味
11画
[字訓] おさめる・ひらく
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
未(び)+攴(ぼく)+人。禾穀(かこく)を撃って、これを治める意とみられる。〔説文〕三下に「(さ)くなり」と訓し、「攴に從ひ、厂(かん)に從ふ。厂の性はく。果孰(熟)して味るときは、亦たく。故に之れをと謂ふ。未聲に從ふ」と形声に解し、許其切(キ)の附音がある。しかし声の字は・釐・など、みな釐(り)の声である。上部は制と形が近く、禾穀を治める字が、草木などを治めることを制という。収穫は天の賜うところであるから、福釐・賚賜の意がある。は(ゆう)(祐助)、は貝(財貨)、釐は里(邑里、所領)を与えられる意であろう。金文にこれらの字のほか、(り)の字もあり、子孫の繁栄を賜う意である。の下部は金文に人に作り、年の卜文・金文の字形とひとしく、あるいは穀霊を示すものかと思われ、それならば、豊穣を祈る儀礼を示す字である。
[訓義]
1. おさめる、農耕の儀礼。
2. ひらく、さく。
3. また(ち)(治)に作る。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ツラヌ
[声系]
〔説文〕に声として・・釐・など七字を収める。金文に・の字形があり、みな福釐として与えられるものをいう。
[語系]
を〔説文〕に許其切とするは疑うべく、おそらく、來(来)・lと同じく來母(らいぼ)の音であろう。(らい)は労、天の恵賜するところをまた賚lという。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報