リディツェ(読み)りでぃつぇ(その他表記)Lidice

デジタル大辞泉 「リディツェ」の意味・読み・例文・類語

リディツェ(Lidice)

チェコ西部、ボヘミア地方の村。首都プラハの北西郊に位置する。第二次大戦中、ナチスの高官暗殺に関与したことへの報復という名目村民虐殺が行われ、壊滅した。戦後再建。リディチェ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リディツェ」の意味・わかりやすい解説

リディツェ
りでぃつぇ
Lidice

チェコ西部、首都プラハの西北西約15キロメートル、クラドノ近くの村。第二次世界大戦中ここには炭鉱労働者が住んでいたが、ナチス支配下で村人に対する残虐な復讐(ふくしゅう)行為が行われた。その虐殺現場は今日も歴史の証言として保存されている。

 1942年5月27日に、ドイツのボヘミア・モラビア保護官代理ハイドリヒReinhard Heydrichが襲われ、6月4日死去すると、犯人庇護(ひご)の疑いもあってヒトラーはリディツェへの復讐を命令した。保護次官・SS(親衛隊)司令官フランクの命令を受け、SS行動隊長ロシュトックは6月9日夜、リディツェを包囲し、成年男子198人を射殺、女子195人を強制収容所に送った(戦後帰還したのは143人)。子供は収容所に入れられたり(90人)、「ドイツ化」のためSS隊員の家族に預けられた(8人)が、戦後消息が確認されたのは16人にすぎない。全家屋は破壊され、リディツェは完全に抹殺された。戦後フランクとロシュトックは死刑に処せられ、リディツェは再建された。

[吉田輝夫]

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