共和党(読み)キョウワトウ

デジタル大辞泉の解説

きょうわ‐とう〔‐タウ〕【共和党】

民主党と並ぶ米国の二大政党の一つ。1854年結党。1960年リンカーン大統領に当選させる。農地法ホームステッド法)・保護貿易などのほか奴隷制廃止など進歩的政策で北東部の産業資本家・西部の農民の支持を受けて発展。20世紀中盤からは民主党の左傾化と入れ替わるように保守化し、軍需産業・南部保守層・キリスト教右派などを地盤とする。ルーズベルトアイゼンハワーニクソンフォードレーガンブッシュ父子などの大統領を輩出
フランス保守政党国民運動連合から2015年に改称

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百科事典マイペディアの解説

共和党【きょうわとう】

民主党と並ぶ米国の大政党。1854年カンザス・ネブラスカ法制定を機に奴隷制反対の地方政党が各州に成立,1856年これらが統一して現在の党が成立した。1860年リンカンが大統領に当選してから急激に発展,南北戦争中から産業資本主義を促進。19世紀後半―20世紀初期にはほとんど政権の座にあったが,保守的傾向が強まり,1929年の大恐慌以後はニューディール政策を採った民主党に主導権を奪われた。1953年―1961年アイゼンハワーが政権を握り,またベトナム戦争や国内問題の深刻化により勢力を回復,1968年にニクソンが大統領に当選,1974年ニクソンがウォーターゲート事件で辞任に追い込まれ,代わって大統領に就任したフォードも,1976年民主党のカーターに敗れ,共和党政権は8年で終わった。しかし1980年にはレーガンがカーターを大差で破り,1984年再選された。1988年にはレーガンのもとで副大統領を務めたブッシュ(父)が当選したが,1992年と1996年民主党のクリントンに連続して敗れ,2000年にブッシュ(子)がゴアと僅差で当選,2004年には民主党のJ.ケリー候補を破り再選された。2006年中間選挙で敗北し,上下両院の多数派を民主党に奪われた。2008年の大統領選ではマケイン候補が民主党オバマに破れ,両院選挙でも敗北した。しかし,2010年の中間選挙では下院で60議席以上を増やして大勝,下院の過半数を奪還した。2012年の大統領選挙予備選では中道政策を掲げるロムニー候補が共和党大統領候補として選出され,11月現職の民主党オバマ大統領と対決したが白人・富裕層寄りという評価を最後まで崩せず敗れた。大統領選と同日に行われた下院選では共和党234議席,民主党201議席で多数を獲得,政権を厳しくチェックする力を保持した。2014年の中間選挙では,下院で共和党は247議席を獲得,同党の議席数としては第2次大戦後最多と歴史的勝利となった。上院でも54議席を獲得,共和党が上下院で過半数を占める。外交政策は孤立主義的,州権主義的であり,経済政策では伝統的に小さな政府を標榜,財政負担増の政策には反対する傾向にある。政党のシンボルは象。
→関連項目アメリカ学派アメリカ合衆国草の根民主主義財政の崖奴隷廃止運動二大政党制フェデラリスツマッカーシー

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうわとう【共和党 Republican Party】

アメリカの二大政党の一つ。南北戦争を前に奴隷制拡大反対の諸勢力を結集して,1854年に形成され,56年の選挙に大統領候補を立て全国政党として登場し,60年の選挙にはその候補リンカンを当選させて,二大政党の一つとしての地位を確立した。シンボルマークはゾウ。 歴史的には,建国期のフェデラリスツ,1830年代以降のホイッグ党の流れをくむ。19世紀中葉に民主党が南部プランター勢力の政党と化するに及び,それに対抗して東北部の新興産業資本勢力と中西部の自営農民層との連合体として組織された。

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大辞林 第三版の解説

きょうわとう【共和党】

民主党と並ぶアメリカ二大政党の一。1854年に成立。フェデラリストの流れをくみ、産業資本を擁護、北部商工業者や中産階級を基盤とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

共和党
きょうわとう
Republican Party

アメリカ合衆国において民主党と並ぶ二大政党の一つ。その起源は、直接的には1856年に奴隷制反対の諸派が結集してフリーモントJohn Charles Frmont(1813―90)を大統領候補に指名したときに始まるが、系譜をたどれば、ジャクソン時代のホイッグズ(ホイッグ党)を経て憲法制定期のフェデラリスト(連邦派)にまでさかのぼることができよう。共和党は1860年の大統領選挙でA・リンカーンを大統領候補に指名、民主党の分裂にも助けられて、勝利を得た。その後、南北戦争における北軍の勝利(1865)によって、北部の政党である共和党は、半永久的な多数党としての地位を確立した。共和党はビジネス(実業)の党となり、保護関税と金本位制度を政策の中心に据えて、積極的に企業の利益を推進した。南北戦争以後1912年までの間、共和党はクリーブランドの2期8年を除いて大統領職を独占する。この間、1896年には、相対的に不利な地位に甘んぜざるをえなかった農民の支持を受けた民主党のブライアンと共和党のマッキンリーとの間で大統領職をめぐる激しい選挙戦が行われたが、マーク・ハナの指導の下で結束した共和党がいちおうの勝利を収めた。それによって共和党の支持基盤はいっそう強化されたといってよい。マッキンリーの後を継いだT・ルーズベルトは、革新主義によって共和党を20世紀の現実に適応させようとしたが、革新主義をめぐるルーズベルトとタフトとの対立は、結局共和党を分裂させ、1912年には民主党のウィルソンに勝利の機会を与えた。しかし、第一次世界大戦の終了とともに、「平常への復帰」を唱える共和党がふたたび優位にたち、1920年代のアメリカは、共和党政権下で空前の繁栄を迎えることになった。それが1932年以後共和党を逆に著しく不利な立場にたたせる原因になったのは、歴史の皮肉ともいうべきであろう。
 すなわち、1929年に突如大恐慌が訪れたとき、大統領であった共和党のフーバーは、結局不況の克服に有効な施策をたてることができず、1932年にはF・D・ルーズベルトにホワイトハウスを明け渡さざるをえなくなった。このとき以来、共和党には高額所得者の党、不況の党といったイメージが付きまとい、民主党に対して劣勢を余儀なくされるに至る。1952年と1956年のアイゼンハワーの勝利も、共和党の勝利であるよりは、むしろアイゼンハワー個人の勝利であった。ただ、1960年代後半から1970年代に入って、平等化に対する反発から、アメリカ全体の保守化が進むとともに、共和党も劣勢を挽回(ばんかい)した。1968年、1972年にニクソン、1980年、1984年には保守派のリーダー、レーガンを当選させた。1988年にはG・H・W・ブッシュを大統領に当選させ、保守化の傾向が続く限り、共和党の優勢は持続するかにみえた。しかし、有権者の大勢は脱政党化の方向にあり、共和党の長期にわたる多数党化を可能にするような有権者の再編成があったとは考えにくい。実際、1992年の選挙では現職の大統領であったG・H・W・ブッシュの不人気に乗じて、民主党のクリントンが大統領に当選、上下両院も民主党が制した。ただ、共和党も1994年の中間選挙では上下両院で多数を獲得しており、共和・民主両党の勢力が拮抗(きっこう)する状況が続いている。2000年の選挙ではG・W・ブッシュが民主党候補のゴアを破り、大統領に当選したが、票差は僅差(きんさ)であった。2002年の中間選挙では、上下両院ともに共和党が制した。2004年の選挙ではブッシュが再選を果たし、また上下両院ともに共和党は改選前より議席を増やした。しかし、ブッシュは2005年のハリケーン「カトリーナ」被災の際の対応の遅れ、またイラク戦争やその戦後政策に対する批判等により支持率を下げ、2006年の中間選挙で上下院ともに民主党に敗北。2008年の大統領選では、マケインを候補に立てたが民主党候補オバマに大差で敗れた。[阿部 齊]
『C・A・ビアード著、斎藤眞・有賀貞訳『アメリカ政党史』(1983・東京大学出版会) ▽K・フィリップス著、吉田利子訳『富と貧困の政治学――共和党政権はアメリカをどう変えたか』(1992・草思社) ▽吉原欽一編著『現代アメリカの政治権力構造――岐路に立つ共和党とアメリカ政治のダイナミズム』(2000・日本評論社) ▽久保文明編『G・W・ブッシュ政権とアメリカの保守勢力――共和党の分析』(2003・日本国際問題研究所) ▽松尾弌之著『アメリカの永久革命――共和党と民主党が生むダイナミズム』(2004・勉誠出版) ▽松尾弌之著『共和党と民主党』(講談社現代新書)』

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世界大百科事典内の共和党の言及

【政党】より


[アメリカ]
 アメリカの政党は,皮肉なことに反政党主義的立場に立っていたワシントンの下での主要閣僚であったハミルトンとジェファソンによって,18世紀末に創設された。すなわち連邦党と民主共和党である。当初優位に立っていた連邦党は19世紀に入ると民主共和党に連敗して消滅し,民主共和党体制が続く中で〈ジャクソニアン・デモクラシー〉時代が到来したが,この間に民主党と呼ばれるようになった民主共和党では,党内のジャクソン派と反ジャクソン派の対立が激化し,反ジャクソン派は1828年に国民共和党(1834年にホイッグ党と改称)を結成し,40年にハリソン,48年にタイラーを大統領に当選させた。…

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