リヤオ河(読み)リヤオが(その他表記)Liao he

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リヤオ河」の意味・わかりやすい解説

リヤオ(遼)河
リヤオが
Liao he

中国北東部,リヤオニン (遼寧) 省を流れる川。全長 1430km,流域面積 19万 2000km2。内モンゴル (蒙古) 自治区とホーペイ (河北) 省との境界にあるチーラオトーシャン (七老図山) 山脈に発するラオハ (老哈) 川が源流である。内モンゴル高原の縁辺を北東流してターシンアンリン (大興安嶺) 山脈東斜面の水を集めるシャルモロン (西拉木倫) 川と合流し,シーリヤオ (西遼) 河となる。リヤオニン省との境界付近で南に向きを変え,チャンパイ (長白) 山地に発するトンリヤオ (東遼) 河を合せてから下流をリヤオ河と呼ぶ。ティエリン (鉄嶺) 県以南では南西流し,平行して流れるフン (渾) 河,ラオヤン (繞陽) 河などとともに広い沖積平野を形成する。下流は2流に分れ,ショワンタイツー (双台子) 河口とリヤオ河口でリヤオトン (遼東) 湾に注ぐ。上流は内モンゴル高原のステップを潤しており,植林や灌漑施設の建設によって草地耕地の増大をはかっている。下流域はリヤオニン省の中心をなす穀倉地帯。河口一帯は低湿荒れ地であったが,中流にモーリーミヤオ (莫力廟) ダムなどが建設され,1960年代末から大規模な干拓が行われて,水田や畑,果樹園造成が進んでいる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android