ルグバラ(読み)るぐばら(その他表記)Lugbara

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルグバラ」の意味・わかりやすい解説

ルグバラ
るぐばら
Lugbara

アフリカのウガンダコンゴ民主共和国(旧ザイール)に住む中央スーダン語系の農耕民。言語的にも文化的にもこの地域の民族とはつながりが薄く、チャド湖周辺からナイル川上流に移動してきたと考えられる。人口はウガンダ側に約18万、コンゴ(旧ザイール)側に約6万である。モロコシトウジンビエが主要作物であるが、牛やヤギニワトリも飼う。換金作物として綿花やタバコを栽培するが、収入は少なく現在では出稼ぎが多い。約60の父系クラン(氏族)があり、クラン名でよばれる最小の単位である拡大家族に1人の長老がいる。長老の役割はおもに儀礼的なもので、彼だけが祖先の社(やしろ)に近づくことができ、神秘力をもつ。外婚単位となるのはサブ・クランであるが、各クランはそれぞれ生と死および豊穣(ほうじょう)を支配するといわれる雨乞(あまご)い師をもっている。彼らは高い尊敬を受け、作物の植え付けや収穫の時期をも告げる。割礼は行わず年齢集団もない。

加藤 泰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android