ルレー(英語表記)Jean Leray

改訂新版 世界大百科事典 「ルレー」の意味・わかりやすい解説

ルレー
Jean Leray
生没年:1906-98

フランスの数学者。ナントに生まれ,エコール・ノルマル・シュペリウールを卒業した。1936年にナンシー大学教授,41年にパリ大学教授となり,47年からはコレージュ・ド・フランス教授。関数方程式の研究者で,流体力学における数学的問題,微分作用素の基本解,関数空間における不動点指数の理論に関する業績は有名である。とくに不動点指数の理論に関して導入した手法は非常に一般的で,層係数のコホモロジー論やファイバー空間におけるスペクトル系列の理論に発展して,位相幾何学,代数幾何学,ホモロジー代数多変数関数論などで用いられ,数学の発展に大きく貢献した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のルレーの言及

【関数解析学】より

…この考えによりG.D.バーコフとケロッグO.D.Kellog(1878‐1932)は,微分方程式の解の存在を,バナッハ空間における(必ずしも線形でない)完全連続作用素の不動点定理として証明した。このような考え方は,シャウダーJ.P.Schauder(1899‐1943),ルレーJ.Leray(1906‐ )らによって,偏微分方程式の解の存在証明にも拡張された。
[線形作用素の半群]
 バナッハ空間XからXへの有界線形作用素の族{Ttt≧0}があって,(a)TtTsTts(半群性),(b)T0I(恒等作用素),(c)任意のxXに対して(連続性)を満たすとき,{Ttt≧0}を1パラメーター半群または単に半群と呼ぶ。…

【層】より

…もともとは,1940年代後半に岡潔が多変数関数論の研究の中で,現在の前層にあたるものを利用した。岡はそれを不定域イデアルと呼んだが,他方同じころ,これとは独立にルレーJ.Leray(1906‐ )が同様なものを考えた。その直後,H.カルタンらが層の一般論を展開し,多変数関数論に有効に利用した。…

【関数解析学】より

…この考えによりG.D.バーコフとケロッグO.D.Kellog(1878‐1932)は,微分方程式の解の存在を,バナッハ空間における(必ずしも線形でない)完全連続作用素の不動点定理として証明した。このような考え方は,シャウダーJ.P.Schauder(1899‐1943),ルレーJ.Leray(1906‐ )らによって,偏微分方程式の解の存在証明にも拡張された。
[線形作用素の半群]
 バナッハ空間XからXへの有界線形作用素の族{Ttt≧0}があって,(a)TtTsTts(半群性),(b)T0I(恒等作用素),(c)任意のxXに対して(連続性)を満たすとき,{Ttt≧0}を1パラメーター半群または単に半群と呼ぶ。…

【層】より

…もともとは,1940年代後半に岡潔が多変数関数論の研究の中で,現在の前層にあたるものを利用した。岡はそれを不定域イデアルと呼んだが,他方同じころ,これとは独立にルレーJ.Leray(1906‐ )が同様なものを考えた。その直後,H.カルタンらが層の一般論を展開し,多変数関数論に有効に利用した。…

※「ルレー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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