ルースベン事件(読み)ルースベンじけん(英語表記)Raid of Ruthven

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルースベン事件」の意味・わかりやすい解説

ルースベン事件
ルースベンじけん
Raid of Ruthven

1581年8月,スコットランドで起った国王誘拐事件。少年王ジェームズ6世 (イングランド王としては1世) はレノックス公 (初代) やアラン伯 (ジェームズ・スチュアート) らカトリック教徒貴族の支配下にあり,彼らが前女王メアリー・スチュアート復位を策しているのを見て,新教徒で親イングランド派の2代マー (伯)ガウリー (伯)らは,王をインバーネスにあるガウリー伯の居城ルースベン城に拉致,一挙に政権を奪った。そのためレノックス公はフランスに亡命し,アラン伯ものちにイングランドに逃れ,新教派が権力を握ったが,83年6月王はセントアンドルーズに逃れ,フランスの武力援助を得て形勢を逆転し,アラン伯が復権するとともにガウリー伯は逮捕,処刑され,ほかは逃亡した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android