阿賀川(読み)アガガワ

デジタル大辞泉 「阿賀川」の意味・読み・例文・類語

あが‐がわ〔‐がは〕【阿賀川】

福島県西部を流れる川。栃木県との県境にある荒海山(標高1581メートル)に源を発し、会津盆地日橋にっぱし合流。長さ123キロ。尾瀬に源を発する只見川と合流して阿賀野川となり日本海に注ぐ。

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日本歴史地名大系 「阿賀川」の解説

阿賀川
あががわ

阿賀川は福島県内の名称で、新潟県内に入ると阿賀野あがの川とよばれる。会津では一般におお川とよばれる。河川法では阿賀野川という。流域面積は七七〇七・八平方キロ(「理科年表」では七七一〇平方キロ)、全国で第八位である。流域面積の内訳は新潟県境を境に下流の新潟県側の面積一六五五・九平方キロ、上流の面積六〇五一・九平方キロ。上流の内訳は福島県側が五七三八・六平方キロ、只見ただみ川上流の新潟県北魚沼きたうおぬま湯之谷ゆのたに村分が二五三・二平方キロ、只見川水源地の群馬県利根とね片品かたしな村分が六〇・一平方キロとなっている。流路延長は二一〇・一キロ(「理科年表」では二一〇キロ)、うち福島県側は一二三・一キロ、これは栃木県と福島県との境にある帝釈たいしやく山地にある荒海あらかい(一五八〇・四メートル)に源を発して荒海川となり、次に檜沢ひざわ川を合流して大川となり、田島たじま盆地の北端で羽鳥はとり湖から流れる鶴沼つるぬま川を合せて北流して大川ダムによる若郷わささと湖を経て会津盆地に出る。会津盆地の中央で猪苗代湖より流れる日橋につぱし川を合せ阿賀川となって西へ向きを変え、北から田付たづき川・にごり川、南から旧みや(鶴沼川)の水を合せ、盆地西縁の丘陵地を貫き、山都やまと舘原たてのはらで北流する只見川と合流する。これから西流して越後山脈を浸食蛇行する。途中の野沢のざわ盆地で長谷ながたに川・安座あんざ川・ささ川を合せる。西会津町上野尻かみのじりの先では山が迫り川幅は狭くなり、いわゆる銚子ちようしくちとなる。まもなくおく川の流れを合せ県境となり、新潟県東蒲原ひがしかんばら郡に入り、五泉市馬下まおろしから新潟平野に出て、流れは北西に向かい蛇行緩流となり、新潟市まつさきで日本海に注ぐ。一級河川。一つの流れだが、途中に越後山脈があるため一つの生活圏とはならず、福島県の会津地方と新潟県の二つの領域に分れる。

川名の語源は仏教用語の閼伽あか(水の意)に由来するとする説と、アイヌ語に由来するとの説がある。また流域に赤鉄鉱を産する所があり、増水時には赤褐色の濁流が流れるのであか川と称したとする説もある。古くは揚川と表記した。

〔おもな支流〕

支流の数は一七四の多きに達する。おもな支流の流域面積と長さを示すと、第一の支流は只見川で、流域面積二七九二平方キロ、流路延長一四五・二キロ。只見川支流の伊南いな川は流域面積一〇四六・五平方キロ、流路延長八〇・二キロ。日橋川は流域面積一一三六・八平方キロ、流路延長二五・四キロ。旧宮川は流域面積二五七・八平方キロ、流路延長三六・五キロ。濁川は流域面積一六六・九平方キロ、流路延長二八キロ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿賀川」の意味・わかりやすい解説

阿賀川
あががわ

阿賀野川(あがのがわ)水系の本流は福島県内では阿賀川とよばれる。新潟県に入って阿賀野川となり、日本海に注ぐまで延長210キロメートルのうち、阿賀川は123キロメートル。阿賀野川の流域面積の約80%を福島県が占める。県内では会津地方唯一の排水河川であるが、流域の一部は郡山(こおりやま)市、岩瀬郡にまたがる。大川(阿賀川本川)、日橋(にっぱし)川、只見(ただみ)川など、会津各地を結ぶ重要な水系網をもつ。

[中村嘉男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「阿賀川」の意味・わかりやすい解説

阿賀川
あががわ

福島県会津盆地を流れる川。新潟県に入って阿賀野川となり,日本海に注ぐ。大川を合せた日橋川と只見川との合流点から下流,福島・新潟両県の県境までを呼ぶ。また上流の大川を阿賀川と呼ぶこともある。全長 30km。江戸時代には会津米の輸送路として重視され,このため享保年間 (1716~36) に急流部に通舟水路の開削も行われた。銚子ノ口などの渓流美に恵まれ,現在は只見柳津県立自然公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「阿賀川」の解説

阿賀川

(新潟県)
日本百景」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の阿賀川の言及

【会津盆地】より

…北部と南部は山麓線が複雑で,盆地の陥没性を物語っている。南会津の山岳地帯を流下した阿賀川(大川)は,盆地南東隅より大型のゆるい扇状地をつくって北流し,これに並行する湯川や鶴沼川,東方の猪苗代湖から流出する日橋(につぱし)川,盆地北部からの大塩川,田付川,濁川などの水を集め,会津坂下(ばんげ)町北西部でみごとな穿入(下刻)曲流地形を形成して流下する。これらの河川により盆地は未固結の堆積物で厚くおおわれ,阿賀川と日橋川の合流点付近では沖積層の厚さが100m以上と推定されている。…

【阿賀野川】より

…幹川流路延長210km,全流域面積7710km2。河川法では福島県南部にある帝釈山地の荒海山(1580m)に発する源から新潟市で日本海に注ぐまでを阿賀野川というが,一般的には福島県内の上流部を大川,日橋(につぱし)川との合流点から新潟県境までを阿賀川,新潟県に入ってからを阿賀野川という。荒海山に源を発する大川は北流して会津盆地に至り,猪苗代湖に発した日橋川を合わせて阿賀川となり,西流して喜多方市山科で越後山脈に入る。…

【北会津[村]】より

…人口7652(1995)。会津盆地南部に位置し,東境を阿賀川(大川),西境を宮川(鶴沼川)が流れる。両河川の緩やかな扇状地面に全村域が含まれ,古くから阿賀川のはんらんに悩まされてきた。…

※「阿賀川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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