セントアンドルーズ(その他表記)Saint Andrews

デジタル大辞泉 「セントアンドルーズ」の意味・読み・例文・類語

セント‐アンドルーズ(St. Andrews)

英国スコットランド東部の都市北海に臨む保養地で、世界最古のゴルフコースがある。セントアンドリューズ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セントアンドルーズ」の意味・わかりやすい解説

セントアンドルーズ
Saint Andrews

イギリススコットランド東部,ファイフ北東部の都市。北海に面し,ダンディー南東約 20kmに位置する。6世紀に建設されたケルト人の宗教集落に始まる町で,初めマクロス Mucross,次いでキルリモント Kilrymontと呼ばれた。8世紀に新しい聖堂が建設され,聖アンドルーに献堂されたが,聖アンドルーがスコットランドの守護聖人とされ,その遺物が聖堂にまつられた結果,重要な宗教中心地となり,町もセントアンドルーズの名で知られるようになった。908年司教座が置かれ,12世紀にはその司教区はスコットランドで最も重要なものとなり(1472大司教区に昇格),宗教的首都としてスコットランドの主要な町の一つに発展した。1160年に建設が始まった大聖堂は 1318年の完成時にはスコットランド最大の規模を誇り,周囲は堅固な防壁で囲まれた。1411年スコットランド最初の大学(→セントアンドルーズ大学)が創設され,以後大学町としても発展。16世紀の宗教改革では宗教首都として混乱に見舞われ,1560年改革派が勝利すると大聖堂は放棄され,のち崩壊。町もしだいに衰退し,18世紀には市街も荒廃した。復興は 19世紀半ばになってからで,市長のヒュー・ライアン・プレーフェアなどの努力により,1754年創設のゴルフクラブもとにゴルフのメッカ,保養地として,また大学町として再建され,20世紀には商業中心地としても発展した。人口 1万4209(2001)。

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改訂新版 世界大百科事典 「セントアンドルーズ」の意味・わかりやすい解説

セント・アンドルーズ
Saint Andrews

イギリス,スコットランド中東部,ファイフ州にある都市。人口1万1302(1981)。この地名は十二使徒の一人でスコットランドの守護聖人アンデレにちなむ。北海の入江,セント・アンドルーズ湾に臨み,宗教改革まではスコットランドの宗教中心であったが,現在は保養都市として知られる。町の起源は6世紀のケルト人の宗教集落にあるが,8世紀に聖アンデレにささげる教会が建設されて発展,908年ごろに司教座,1472年に大司教座が設置されてスコットランド王国で最も重要な宗教都市となった。宗教改革の影響をうけ1559年に大聖堂が破壊され,以後衰退する。しかし,1754年のセント・アンドルーズ・ゴルフクラブ(後にローヤル・アンド・エンシェント・クラブ)の創立を契機にゴルフのメッカとなり,また海岸保養地として再び繁栄をとり戻した。市内には大聖堂の一部や13世紀の古城,1410年に起源を有するスコットランド最古のセント・アンドルーズ大学がある。
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世界大百科事典(旧版)内のセントアンドルーズの言及

【ゴルフ】より

…これが記録にのこる最初のゴルフクラブとゴルフ競技である。ついで54年にはスコットランドのセント・アンドルーズにセント・アンドルーズ・ゴルフクラブ(後のローヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ)が創設された。ルール,ゲーム方法も整備され,1744年のエジンバラ・ゴルファーズの創立時に13ヵ条のルールが決められ,64年にはセント・アンドルーズで1ラウンドが22ホールから18ホールに短縮されるなど,ほぼ現在のゴルフゲームの原形が完成した。…

※「セントアンドルーズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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