インバーネス(その他表記)Inverness

翻訳|Inverness

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インバーネス」の意味・わかりやすい解説

インバーネス
Inverness

イギリススコットランド北部,ハイランドの行政府所在地。北海の入り海マリー湾の湾奥に注ぐネス川河口に位置する。グレンモアと呼ばれる大断層谷の北東の入口にあって三方丘陵に囲まれ,スコットランドの南北を結ぶ主要交通路を押さえる地点にあり,早くから戦略上の要地として注目され,スコットランドの先住民ピクト人の重要な軍事拠点となった。11世紀にマクベスによるダンカン王殺害の場となったと伝えられる城があったところで,ダンカンの息子マルカム3世がその城を破壊したのち建設したといわれる城は,その後数世紀にわたって王の居城として続き,要塞として多くの戦いの舞台となった。川を見おろす現存の城は 1835年建設されたもので,裁判所その他の公共機関に利用されている。交通の要地であるため,早くから物資の集散地として発展したが,第2次世界大戦後,印刷,缶詰,製菓などの軽工業が導入され,ほかに電機,重機械,製鋼,自動車部品などの工業も発達。港はネス川河口の三角江に臨む良港で,ニシン漁の基地であるとともに,おもに石油,石炭,木材,セメントなどの輸入港となっている。怪物ネッシーで知られるネス湖に近く,観光業も盛ん。グレンモアに沿って北海と大西洋を結ぶカレドニア運河は今日ではあまり利用されていないが,エディンバラアバディーン方面とスコットランド北部を結ぶ幹線道路,鉄道が通り,北東郊には空港がある。人口 4万880(2004推計)。

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