日本大百科全書(ニッポニカ) 「レンバハ」の意味・わかりやすい解説
レンバハ
れんばは
Franz von Lenbach
(1836―1904)
ドイツの画家。オーバーバイエルンのシュローベンハウゼンに生まれる。工芸学校を経てミュンヘン美術学校でピロティKarl von Piloty(1826―86)に学んだ。1858年ピロティとローマに赴く。63~66年再度ローマに滞在、ベックリンとアトリエをともにする。ローマ滞在中はシャック伯爵の注文によってティツィアーノをはじめ名画を模写した。67~68年のスペイン旅行後は、ミュンヘン、ウィーンおよびベルリンに仕事場をもって肖像画家として活躍、ウィルヘルム1世、ビスマルク、モルトケ、リスト、ハイゼらの名士の肖像を描いた。光の効果を巧みに用いて暗い背景からモデルの顔を印象深く浮き上がらせる手法が特徴的である。ミュンヘンで没。彼のミュンヘンの旧居は現在市立のレンバハ美術館となり、彼の作品をはじめ、彼と同時代の絵画のコレクション、および20世紀の「青騎士」派の絵画収集で名高い。
[野村太郎]