ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィルヘルム1世」の意味・わかりやすい解説
ウィルヘルム1世
ウィルヘルムいっせい
Wilhelm I
[没]1888.3.9. ベルリン
プロシア王 (在位 1861~88) 。ドイツ帝国の初代皇帝 (在位 71~88) 。フリードリヒ・ウィルヘルム3世の子で,フリードリヒ・ウィルヘルム4世の弟。生粋のプロシア軍人として成長,保守的な政治的見解をもち,1848年のベルリン革命を鎮圧して,国民の反感を買い,一時ロンドンに逃れた。 49年バーデンの革命運動を弾圧。 58年病王の摂政,61年王位を継承し,プロシアによるドイツ統一を志した。 62年ビスマルクを登用してプロシア内外の政治を担当させ,軍事面では A.ローン,大モルトケらの人材を活用した。 64年シュレースウィヒ=ホルシュタイン問題を解決,66年プロシア=オーストリア戦争に勝利を収めて,北ドイツ連邦をつくり,70年普仏戦争に完勝,ドイツ帝国をつくり,その皇帝となった。その後の政治もビスマルクの指導によるが,彼自身は血縁上ロシアに近く,ビスマルクによる 79年のドイツ=オーストリア同盟には最初反対した。この間2度暗殺を企てられ,2度目 (78) には重傷を負った。
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