スイスの画家。10月16日バーゼルに生まれ、1845年デュッセルドルフ美術学校のJ・W・シルマーについて学ぶ。以後アントウェルペン、ブリュッセル、そしてジュネーブでは風景画家カラムAlexandre Calame(1810―64)のもとで修業。48年のパリ旅行から各地を巡り、50~57年ローマに滞在。ここで風景と神話に取材した作品を制作する。59年ミュンヘンで催した作品展で『葦(あし)のなかのパン』(ミュンヘン、ノイエ・ピナコテーク)が物議を醸す。60~62年ワイマール美術学校で教えるが、再度イタリアに赴く。その後バーゼル、ミュンヘン、チューリヒに2、3年ずつ滞在した以外はフィレンツェで過ごし、1901年1月16日同近郊のフィエーゾレで死去。彼は風景画から出発して神話に由来する象徴、幻想の画風に移り、印象派とは対極的な世界を開拓した。『死の島』(1880・バーゼル美術館)などのほか自画像も多く、『死と一緒の自画像』(ベルリン、ナショナル・ギャラリー)はこの分野の代表作である。
[野村太郎]
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