ロウントリイ(読み)ろうんとりい(英語表記)Benjamin Seebohm Rowntree

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロウントリイ」の意味・わかりやすい解説

ロウントリイ
ろうんとりい
Benjamin Seebohm Rowntree
(1871―1954)

イギリスの著名な貧困研究者。ココア、チョコレート製造業者で社会事業家であったジョゼフJoseph Rowntree(1836―1925)の子。地方都市ヨークで、実証的な貧困調査を1899年、1936年、1950年と繰り返して行い、それぞれの結果を『貧困』(1901)、『貧困と進歩』(1941)、『貧困と福祉国家』(1951)にまとめた。栄養学などの知見に基づく貧困線・最低生活費の算定、それを下回る収入しか得ていない貧困世帯の数量出現率算出、貧困の直接的原因の時代的変化、労働者家族の生活周期の発見などで、多くの成果をあげた。壮年期には有能な企業経営者でもあった。ほかに、住宅問題、老人問題なども研究し、ビバリッジ委員会の一員でもあった。

[副田義也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android