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傭兵 ようへい mercenary

翻訳|mercenary

6件 の用語解説(傭兵の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

傭兵
ようへい
mercenary

志願兵の一変種で,一般人や外国人を金銭的雇用関係によって軍隊に組織する制度,およびその兵士のこと。忠誠心が弱く,兵卒素材としては劣悪なことが多いが,自国民の温存をはかり,または兵力不足を補うためよく使われた。

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デジタル大辞泉の解説

よう‐へい【×傭兵】

雇用契約でやとわれている兵。雇い兵。

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百科事典マイペディアの解説

傭兵【ようへい】

報酬を代償として兵員を得る制度,またはその兵員。義務兵役である徴兵と対比される。傭兵はゲルマン傭兵軍隊など古代からあり,封建時代の武士,騎士も広義の傭兵。封建制の解体とともに封建契約(主従関係)は次第に金銭化され,封建軍隊の傭兵化が行われた。
→関連項目足軽軍隊

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世界大百科事典 第2版の解説

ようへい【傭兵】

金銭で雇われる軍人集団をいうが,その歴史はきわめて古い。前5世紀末,ギリシア人傭兵1万がペルシア王弟キュロスのために遠征したことは,クセノフォンの《アナバシス》に詳しい。中世では,戦力の主体は騎士とされていたが,傭兵の存在も知られている。1167年ブラバント人傭兵が当時イタリアにいたドイツ・神聖ローマ皇帝のもとに集結すべく南下した際,クリュニー修道院領を通過した。時の院長の書簡には〈ペスト発生に等しい災いである。

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大辞林 第三版の解説

ようへい【傭兵】

金銭的報酬を条件に、契約に基づいて軍務に服する兵。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

傭兵
ようへい
mercenary英語
Landsknechtドイツ語
lansquenetフランス語

金銭による報酬を条件に軍隊に参加する兵士。Mercenaryの語源は報酬mercesである。傭兵は普通、集団で契約(コンドッタ)condottaを交わし、その統率者を傭兵隊長(コンドッティエーレ)condottiereといった。
 歴史的にみると、古代ギリシアの都市国家(前8~前4世紀)や、下ってナポレオン戦争(1799~1815)以後の近代国家では、国家構成員のうち青壮年男子に軍隊への参加が義務づけられていたし、また中世封建時代は主従関係によって家臣は主君の軍隊に参加するのが義務となっていた。ところがギリシア都市国家の末期になって、義務であった市民の軍隊参加を嫌う者が増え、いきおい戦争(たとえばペロポネソス戦争〈前431~前404〉)には金銭で応じる傭兵が重要視されてきた。これが傭兵の始まりといわれる。
 ついでマケドニアのアレクサンドロス大王のペルシア遠征(前334~前324)のように、広大な地域で戦争をするには大量の軍隊が必要となり、征服地の先住民を傭兵に採用せざるをえなかったこともある。
 戦争が大規模化すれば兵力が不足し、やむをえず傭兵への依存が高まるといった例は、ジャンヌ・ダルクの登場で有名な英仏の百年戦争(1338~1453)があげられる。この戦争によって、長期戦では兵士の補給に勝った側が最終的に勝利者となることが示された。この戦争でイギリスに勝ったフランスのシャルル7世(在位1422~61)の傭兵を中心とした強力な常備軍が各国の模範となり、歴史上、傭兵がもっとも活躍した時期(15~16世紀)となる。以後この形態はナポレオン戦争期まで続いた。
 この時期の傭兵の供給源をみると、十字軍遠征(1096~1270)の退潮に伴い、活動の場を失ったヨーロッパ各地の、相続すべき封土のない次男以下の封建家臣、平騎士などが主であった。彼らは十字軍遠征にかわって大空位時代(1256~73)の神聖ローマ帝国内の諸侯の対立、政争の絶え間ないイタリアでの戦闘に活動の場をみいだし、傭兵なしでは対応策もたてられない中世末期の君主、諸侯間の政争に東奔西走したのである。傭兵の出身地はドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スイスなどであったが、このうちスイスの傭兵はもともとスイスの各州(誓約同盟)の独立のため武装した農民兵士であって、独立達成(1499)後はスイスの経済的貧困を打開するため、ヨーロッパ各地の傭兵となって働いたもので、傭兵契約は州当局が行うという特殊な存在であった。スイスの傭兵は勇敢で契約に忠実ということで人気が高かった。スイスの傭兵は今日、バチカン市の法皇庁警備兵にその名残(なごり)をみることができる。
 しかし一般に傭兵はマキャベッリが『君主論』で批判しているように、戦闘技術に優れてはいるものの、忠誠心が薄く生死を賭(と)した一戦には不向きといわれた。また三十年戦争(1618~48)によるヨーロッパの荒廃の一因が、君主から給与支払いを受けられなくなった傭兵が略奪の限りを尽くしたことにあるといわれたように、無法な戦闘者集団としての傭兵は同戦争以降しだいに敬遠され、国民軍にとってかわられるようになった。
 その後傭兵は、アメリカ独立戦争(1775~83)の際、イギリスに雇われたドイツ人傭兵Hessiansを除くと姿を消し、防衛にも攻撃にも、国民意識に目覚め、信頼しうる国民軍が主流となり今日に至っている。なお、第一次世界大戦前後から知られるようになった外人部隊(「外人部隊」参照)は、本質的には傭兵と同じであるが、主として帝国主義諸国が植民地の治安維持、暴動鎮圧などの目的で編成した補助部隊であり、傭兵とはいちおう区別して扱われる。[藤村瞬一]
『アルフレート・ファークツ著、望田幸男訳『軍国主義の歴史 第1巻 封建騎士団から大衆軍隊へ』(1973・福村出版) ▽マイケル・ハワード著、奥村房夫他訳『ヨーロッパ史と戦争』(1981・学陽書房) ▽堀米庸三編『世界の歴史 第3巻 中世ヨーロッパ』(中公文庫) ▽大野真弓編『世界の歴史 第8巻 絶対君主と人民』(中公文庫)』

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世界大百科事典内の傭兵の言及

【外人部隊】より

…外国人を雇って編成した軍隊をいい,傭兵の一形態である。近代国家の軍隊が,祖国への忠誠心や愛国心を基調とする徴兵または志願兵制の国民軍であるのに対し,外人部隊は金銭的報酬を条件に,契約によって戦闘を義務づけた傭兵で編成された武装集団であって,主として植民地の治安維持などの任務に使われ,国家防衛の中核的役割を担うことは少ない。…

【コンドッティエーレ】より

…〈指揮する〉または〈雇う〉を意味するラテン語conducereに由来し,〈傭兵契約condotta〉を結んだ者=傭兵隊長を示すイタリア語。請負兵員数,奉仕の期間と義務,支払方法等を定めた契約が,13世紀中頃から作成され始める。…

【戦争】より

…以後,歩兵,騎兵,砲隊をいかに結合配置するかが作戦の要諦(ようてい)となり,当然重点は攻城戦から野戦に移っていく。
[傭兵の使用]
 封建的な軍隊は統制が難しかったため,早くから傭兵が使用されたが,その大規模な登場は百年戦争中であった。彼らは100人未満の小集団をなし隊長の固い統率下にあり,合戦ごとに傭われた。…

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