改訂新版 世界大百科事典 「ロンバルドトレダノ」の意味・わかりやすい解説
ロンバルド・トレダノ
Vicente Lombardo Toledano
生没年:1894-1968
メキシコの社会主義者,労働運動家。中産階級の家庭に生まれ,大学在学中に労働者教育に携わって以来,労働運動に身を投ずる。世界恐慌以後頭角を現し,プロレタリア防衛全国委員会(1935),メキシコ労働者連合(1936)を結成し,カルデナスの改革政治を積極的に支援した。その支援は,メキシコがいまだ半植民地,半封建制で低迷しており,プロレタリア革命よりもまず民族解放が必要であり,したがって1910年革命に始まるブルジョア民主主義革命の完遂こそ当面の課題だとする〈段階革命論〉に基づくものであった。40年以後,穏健化した労働者連合内では実権を失っていき,48年人民党(のちの社会主義人民党)を結成,52年同党大統領候補,また連邦下院議員(1964-67)を務める。また世界的にも,ラテン・アメリカ労働者同盟や世界労連の指導者として知られる。
執筆者:青木 芳夫
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