プロレタリア革命(読み)ぷろれたりあかくめい(英語表記)proletarian revolution

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロレタリア革命」の意味・わかりやすい解説

プロレタリア革命
ぷろれたりあかくめい
proletarian revolution

このことばは、19世紀から1920年代まで、ブルジョア革命と対比する形で、社会主義革命を意味する用語として使われた。社会主義革命は、労働者階級を意味するプロレタリアートによる革命であると理解されたので、1917年の十月革命後のロシアでも、その後の国際共産主義運動でも、プロレタリア革命ということばが盛んに使われた。しかしロシアの十月革命には兵士も参加しており、その大半農民であったから、この革命はプロレタリアートだけによる革命ではなく、労働者と農民による革命の性格をもっていた。

 プロレタリア革命という用語は1930年代以後しだいに使われなくなり、第二次世界大戦後はほとんど使われていない。それは第一に、プロレタリアートが伝統的に工場労働者を意味することばとして用いられてきたものだが、現代の社会主義革命は第三次産業部門の労働者や管理部門の職員などを含む広い意味での労働者階級による革命と考えられるからであり、第二に、現代の革命は労働者階級が中心の役割を果たすとはいえ、中間層も参加する革命であるという認識が一般化したからである。

[稲子恒夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プロレタリア革命」の意味・わかりやすい解説

プロレタリア革命
プロレタリアかくめい

賃労働者階級,無産階級としてのプロレタリアートヘゲモニーのもとに資本主義体制の搾取抑圧を一掃し,国家と私的所有廃絶,社会的所有に基づく社会主義体制の実現に向けて行われる社会主義革命をさしている。マルクス主義によれば資本主義社会において階級対立は次第に拡大し,労働者は単に自己の利害を守る経済的改良闘争から,生産手段の私的所有から社会的所有へ,生産の無政府性から計画経済へと進み,資本主義体制を解体する革命にいたるとされる。

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