ロールズの公正(読み)ロールズのこうせい(その他表記)Rawls' Justice

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロールズの公正」の意味・わかりやすい解説

ロールズの公正
ロールズのこうせい
Rawls' Justice

ロールズ正義ともいう。アメリカの哲学者 J.ロールズにより 1971年に提示され,経済学者に多大な影響を与えた所得分配の公正にかかわる理論。この考え方は差別原理とも呼ばれる。社会的に公正な仕組みとは人々がいまだ社会における位置づけが定まらないうちに選択する社会制度であるとする。各個人は相互に両立する範囲内で最大限の自由を等しく享受でき,社会的不平等は,社会的弱者厚生が確保され,すべての構成員が機会平等である場合にのみ許容できるとする。この結果,社会的公正の尺度は,最も恵まれない人の公正の度合いで測ること (マクシミン基準) になる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む