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わたり わたり

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知恵蔵2015の解説

わたり

国家公務員(主にキャリア官僚)が出身省庁と関連の深い団体・企業に再就職することを「天下り」という。就職をあっせんするのは、早期退職勧奨を慣行にしている各省庁サイド。これまで「天下り」には各種の規制が設けられてきたが、人事院が承認すれば違法にはならなかった。官僚OBがこうした「天下り」を繰り返すことを「わたり」という。渡り鳥がすみかを求めて居場所を転々とすることから、こう名付けられた。国家公務員制度の抜本改革が叫ばれて久しいが、「わたり」だけでも過去3年間(2006~08年)で11省庁32件が報告されている(09年1月政府答弁)。再就職先は国の補助金で支えられている公益法人が大半なため、予算を握る省庁の押しつけ、官製談合の温床などという批判に加え、行く先々で多額の退職金を得ている元官僚への国民の目も厳しさを増している。07年、政府は国家公務員法を改正し、新設する官民人材交流センターに再就職のあっせんを一元化させることにした。これにより「わたり」を含む省庁主導の再就職あっせんは廃止され、さらに政府は有識者からなる再就職等監視委員会の設置を提案し、中立性の確保や運用の厳格化も強調した。だが閣議決定された政令には、3年間の移行期間中は監視委員会の承認があれば、省庁が再就職をあっせんできるという「抜け道」が盛り込まれており、事実上骨抜きの状態になっている。これに野党から批判が集中し、また監視委員会の人事をめぐっても紛糾した。08年末、政府は監視委員会に代わって首相が直接あっせんの承認の権限をもつという政令を決定。その後、麻生首相は官僚OBの「わたり」を承認しないという政府方針を発表したが、例外規定を含んだ「政令」の撤廃には踏み込んでいない。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

わたり

地方公務員の給与は給料表で、係長、課長補佐など職務ごとに支給額が決められている。係長に課長補佐と同等の給与を支給するなど、昇任しないまま、高い職務の給与額を支給することをわたりと言う。地方公務員法が51年に施行されたころに始まったとされ、給料表上を上の職務にわたっていく様子からわたりと呼ばれるようになったとされる。人事院によると、国家公務員法では職務ごとの公務員の定数が決まっており、わたりが行われたことはないという。

(2006-01-07 朝日新聞 朝刊 1総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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