ワヌシ(読み)わぬし

日本歴史地名大系 「ワヌシ」の解説

ワヌシ
わぬし

漢字表記地名「輪西」のもとになったアイヌ語に由来すると考えられる地名。コタン名のほか「ワヌシノツ」(板本「東蝦夷日誌」)など岬名としても記録されている。当地一帯は近代に入り輪西わにし村に包含された(のち故地は本輪西町となる)。仮名表記は「ワヌシ」が多いが(木村「蝦夷日記」、「東行漫筆」「協和私役」「廻浦日記」など)、「ワニシ」(東海参譚)、「わにし」(享保十二年所附)、「ワノス」(木村「蝦夷日記」)もある。「蝦夷日誌」(一編)は「ワヌシ」を説明して「又ヤムクシナイとも云也。(中略)夷小屋壱軒。此処また栗の木多し。故に此名有るか」と述べるが、一八六〇年(万延元年)のヱトモ・ホロベツ絵図面縮図(盛岡市中央公民館蔵)には「ワニシ」の東方に「ヤムクシナイ」の記載があって、別の場所を示している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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