改訂新版 世界大百科事典 「ワーシントン」の意味・わかりやすい解説
ワーシントン
Henry Rossiter Worthington
生没年:1817-80
アメリカの発明家,機械技術者。ニューヨークで,技術者でもあった製粉工場主の息子として生まれた。中学校を卒業後,ニューヨーク市の推進機式運河ボートの懸賞募集に対し,父の援助を受けて,蒸気機関と推進器をもつボートを作った。懸賞は得られなかったが,これが,彼を機械技術者として歩ますこととなった。ボート建造のなかで,直動式ボイラー給水ポンプを初めて作り,1840年特許を得た。父の援助のもとに,ポンプ工場を設立,その経営にあたるとともに,1845-55年に,水量計,ウォーシントンポンプと呼ばれる蒸気往復ポンプ,工作機械など多くの発明を行った。彼は,単に技術者,経営者として活躍しただけでなく,文学など知的活動を愛し,アメリカ機械学会の創設にも努力した。
執筆者:植村 幸生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報