アクバル・ナーマ(その他表記)Akbar Nāmah

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクバル・ナーマ」の意味・わかりやすい解説

アクバル・ナーマ
Akbar Nāmah

ムガル帝国第3代皇帝アクバルの時代に,その重臣アブル・ファズルによって書かれた書物。「アクバルの書」の意。その前半 (第1,2部) はバーブルのムガル帝国創建から 1595年頃までの帝国の歴史が,宮廷を中心に書かれている。後半にあたる第3部は『アーイーネ・アクバリー (アクバルの鏡) 』 Ā'ini Akbarīと呼ばれ,別個の書物としても扱われるが,アクバル治世下の諸政策,特に地税制度,地方行政制度などの内政に関する事項や慣習などをまとめた百科事典的書物である。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「アクバル・ナーマ」の解説

『アクバル・ナーマ』
Akbar-nāma

ムガル皇帝アクバルの一代記。編著者はアブル・ファズルモンゴルチンギス・カンの歴史から始まり,ティムールとその後裔を記して,アクバル一代に起こったことを中心に編年体で記した歴史書。補巻『アーイーネ・アクバリー』があり,宮廷の儀式,軍制,税収聖者伝などがあり,一次史料として役に立つ。アクバルの治世末に完成

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旺文社世界史事典 三訂版 「アクバル・ナーマ」の解説

アクバル−ナーマ

アクバル

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世界大百科事典(旧版)内のアクバル・ナーマの言及

【アクバル会典】より

…ムガル帝国,アクバル時代の法令集等をまとめたもの。もともとは,《アクバル・ナーマAkbar‐Nāmah(アクバル一代記)》の第3巻目としてまとめられた。編著者は,《アクバル・ナーマ》と同じアブール・ファズルであるが,内容はアクバル時代の宮廷の儀式,ムガル中央政府の官僚制度・軍事・税制等多岐にわたる。…

【アブール・ファズル】より

…代々学者の家系のシャイフ,ムバーラクの子として生まれ,父,兄とともにアクバルに仕え,アクバル支配を支えるイデオローグとして活躍。歴史書《アクバル・ナーマ(アクバル一代記)》を執筆したが,この歴史書のスタイルは,のちのムガル皇帝の一代記の基本的な形となった。彼は皇子サリーム(のちの皇帝ジャハーンギール)に憎まれ,デカン遠征からの帰還途中で暗殺された。…

※「アクバル・ナーマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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