アテナイ第二海上同盟(読み)アテナイだいにかいじょうどうめい

改訂新版 世界大百科事典 「アテナイ第二海上同盟」の意味・わかりやすい解説

アテナイ第二海上同盟 (アテナイだいにかいじょうどうめい)

アンタルキダス条約の締結以降,事実上ギリシアの覇権を握ったスパルタに対抗して,アテナイが前377年諸都市に呼びかけて設立した同盟最盛期には75の国(ポリス)が参加。同盟は前5世紀デロス同盟の轍を踏まないように,加盟国の自由・自治の承認,駐留軍・貢租徴収の禁止,アテナイ市民の加盟諸国内での土地所有の禁止を明文化した。同盟市戦争(前357-前355)で,キオス,ロドス,ビュザンティオンなど,有力ポリスの離反があいつぎ,同盟は大幅に縮小し,その存在意義を失った。カイロネイアの戦(前338)後,最終的に同盟体制は解体された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android