アナムネシス(英語表記)anamnēsis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アナムネシス」の意味・わかりやすい解説

アナムネシス
anamnēsis

想起」の意。メノンソクラテスに対し,未知のものを探求する可能性根拠を問うたとき,ソクラテスはミュトスによって1つの仮説を示した。すなわち,魂はその輪廻 (りんね) においてすでにイデアを認識しているから,たとえ忘却していても人間的経験を介して想起することができる。また学ぶこと,原因を推理していくことは実はこの想起にほかならないというのである (『メノン』 80~81) 。こうしてアナムネシスは,プラトンにより初めて認識論的意義を与えられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android