精選版 日本国語大辞典 「輪廻」の意味・読み・例文・類語
りん‐ね ‥ヱ【輪廻】
りん‐え ‥ヱ【輪廻】
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仏教の術語。人間は死後もなんらかの形で存続するという普遍的信念の一つの形態が輪廻で、とくにインドで発展した。人間の本質は実体的な霊魂である。一方、人間の行為(カルマン、業(ごう))はのちに影響を及ぼす潜在的な力(カルマン、業力)を生み、霊魂がこれを担うから、人は死後、生前の業に従ってしかるべき死後世界に生まれ変わる。こうして無限に再生を繰り返すのが輪廻である。サンスクリット語でサンサーラsamsāraといい、「流れ」「回り巡ること」が原意である。死後世界は、基本的には、安楽な世界たる天、罰としての苦の世界たる地獄、人間、そして動物(畜生(ちくしょう))の世界である。業の発現の仕方は「自業自得(じごうじとく)」と「業果の必然性」を鉄則とする。自らの行為の果報はかならず自分に現れ、今世でなければ来世、あるいはその後の生に現れる、善因善果・悪因悪果の因果応報の考え方は現実社会の不平等を巧みに説明し、さらにその不平等を来世で回復してバランスをとりうる可能性を示す。心理的にも説得力があり、またなにゆえに善行をなさねばならないか、という倫理の根拠をも提示しつつ、遅くも紀元前4世紀にはインド社会に定着した。以降、今日に至るまでインド文化の基本的観念として思惟(しい)方法、宗教、哲学、社会慣習などに多大の影響を与えた。仏教では餓鬼(がき)ないし阿修羅(あしゅら)世界を加えた五道、六道輪廻の観念が発達し、東南アジア、中国、韓国、日本、チベットなどの仏教徒の生活をさまざまに規定している。
[奈良康明]
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インド思想の概念。初期ヴェーダ文献での素朴な死後の世界観に代わり,ブラーフマナ文献では,生前の善行の蓄積がなくなり,死後の世界で再び死ぬという観念が生じる。この再死の観念はウパニシャッドの思弁を通じ,生前の善行,悪行の結果,天界,地上界,地獄などでさまざまな姿をとり生死を繰り返すという輪廻思想として確立され,ヒンドゥー教,仏教,ジャイナ教に定着する。各宗教は輪廻の苦しみからの解脱(げだつ)の方法をさまざまに教える。
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… 仏教はそこに〈業(ごう)〉の理を導入した。業とは本来は単に人間の行為のことであるが,一つの行為は必ず善悪・苦楽の応報をもたらすという因果観と結びつくことで,業は一種のパワーとみなされ,そこから過去・現在・未来の三世にわたる輪廻(りんね)の思想が,しだいに中国人の生死観に定着するようになった。こうして因果応報の観念は,超自然的ないし宗教的な枠組みへと拡大したのであるが,それが民衆教化の便法として〈勧善懲悪〉の教えに通俗化されると,世間法との自然な習合によって再び現世倫理と密着しつつ中国在来の宿命論的天命観と融合していった。…
…モークシャmokṣa,ムクティmuktiなどの漢訳語。古来,インドで宗教の最高目標とされてきたもので,輪廻(りんね)(サンサーラsaṃsāra)からの脱却,〈苦〉からの脱却,永遠の生,不死など種々の定義があるが,全体として必ずなんらかの意味で輪廻からの脱却ということにかかわっている。歴史的にも,解脱の考えは輪廻思想の誕生と同時に発生している。…
… またこれとともに注目すべきことは,この時代になって初めて仏教が知識人の関心をひくようになったことである。その際仏教が六朝の知識人の心をとらえたのは,第1点は仏教の根本義である〈空〉が老荘の〈無〉に通ずるものをもつこと,第2点は従来の中国にはまったくなかった輪廻(りんね)説,三世報応説をもたらしたことである。ここでは第2点について見よう。…
…1カルパは1000マハーユガに相当し,1マハーユガはクリタユガ,トレーターユガ,ドバーパラユガ,カリユガから成り,後のユガは前のユガよりも人間の信仰・道徳性などにおいて低下しており,現在は前3102年に始まった暗黒期にあたるカリユガに当たっており,この期の終りに大帰滅が起こるといわれている。(2)業と輪廻 人間は死んで無に帰するのではなく,各自の業のために,来世において再び新しい肉体を得る。このように生死を無限に繰り返す。…
…たしかに古代のインド人は,同時代のギリシアや中国で書かれた史書のような,史実を平易な文体で正確に記述した作品を,後世にほとんど伝えていない。その理由としてこれまで一般に挙げられてきたのが彼らの生命観・世界観であり,そこでは,(1)インド人は個人の生命を永遠に輪廻転生を繰り返す霊魂のごく一時的な存在としてしかみなかった。(2)現実世界に発生する政治や社会のできごともまた一時的現象とされ,なんらの重要性ももたぬものと考えられた。…
※「輪廻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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